2018年08月24日
戦中も伝統を守り続けるイエメンの職人

長年戦争を続ける国に住むサファー・ファキーフ(Safaa al-Faqih)の指には血が滲む。しかし作業場でイエメン産の宝石を磨く彼女の心は穏やかだ。
この分野では数少ない女性の一人であるサファーは黒い「ニカブ」姿で、イエメン産の青い瑪瑙(めのう)石を火の中にくぐらせ、素手で型にはめ込んでいる。
「これらの石は毎日違う物語を教えてくれる」とサファーはAFPに対して話す。「毎日新しい発見がある」
石が熱い内に、黒の長いアバヤをまとめた彼女が向かう先は砥石台だ。宝石を研いでは、すぐにその淵を指でなぞり滑らかさを確認している。
「この工芸が大好きです」と茶色い瞳の職人は語る。「指が切れることもあるし、体調を崩す時もある」「それでもこの宝石に囲まれることが好きです。この宝石自体が大好きだから。本当に私のパッションなのです」
この情熱は、イエメンと宝石の長きにわたる恋物語の一部。現在イエメンとして知られる地域はかつてシバの女王が住んだとされる地であった。そこで女王は、ソロモン王に贈った宝石や金を見つけたとされる。
1000年経った今、戦争がその歴史を脅かしている。
Posted by nori at 12:30│Comments(0)