2017年09月26日

牡丹と黒人の女性

 初期印象派の画家フレデリック・バジール晩年の代表的作品のひとつ『牡丹と黒人の女性』。

 本作は黒人の女性が机上で花瓶に花を活ける姿を描いた風俗画的作品であるが、アンリ・ファンタン=ラトゥールなどアカデミックなサロン絵画様式に近い、細密に描き込まれた花の静物という伝統的な古典的画題に日常の場面を組み合わせた画題構成が大きな特徴のひとつで、このような画題の構成は写実主義の巨匠ギュスターヴ・クールベも手がけているが、本作においては1868年以降の画家の作品にみられるアカデミー絵画への回帰の傾向を示した最も良例の作品のひとつとも言える。

 バジールは本作を手がける少し前に同画題の作品『牡丹と黒人女性(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)』を制作しているが、この最初のヴァージョンと比較してみると、花を活けるモデルの黒人女性の仕草や視線が、より自然な動作的印象を(本作を)観る者に与えるように考慮して描かれていることが分かる。



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