2017年08月22日

ボディーガード15人

 今年70回目を迎えたカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)は、そのグラマラスさやきらびやかさでも有名だ。これまでにレッドカーペットを彩った女優たちを振り返る。

 米歌手マドンナ(Madonna)は、キャリア絶頂期の1991年、自身のドキュメンタリー作品『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ(In Bed with Madonna Truth or Dare)』を引っさげてカンヌを訪れた。

 5つ星の「ホテル・ドゥ・キャップ・エデン・ロック(Hotel du Cap-Eden-Roc)にこもっていたマドンナだったが、日課となっていた15キロのジョギングでは、アンディーブ岬(Cap d'Antibes)の曲がりくねった道路の交通渋滞を引き起こした。ジョギングにはボディーガード15人が同行していた。

 試写会当日の夜には、スターを一目見ようと少なくとも1万人の群衆が会場前に押し寄せ、その間を縫うようにしてマドンナの乗ったリムジンが進んだ。

 マドンナはレッドカーペットにピンクのガウン姿で登場。歩みを止めて後ろを振り返り、ガウンの下に着用していたジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)がデザインのオフホワイトの円錐形のブラジャーがあらわになった瞬間、会場の熱気は頂点に達した。  


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2017年08月15日

本作の抽象性をより強調する効果を発揮している


 視力が低下する以前に描かれた同画題の作品『睡蓮の池、バラ色の調和(太鼓橋)』と比較してみると、もはや太鼓橋としての形を僅かに感じられるほど形象は抽象化され、あたかもこの風景を夢裡で見ているような非現実感が漂っている。また画面下部では池の水面に反射する木々や浮かぶ水草(睡蓮)の形状を不鮮明ながら感じることができるが、遠景のモネの庭の木々はもはや形すら失われ、色彩の洪水と化している。

 日本風太鼓橋など緑色が主体として画面の色彩が構成されている本作ではあるが、それ以外にも緑色と隣り合い、視覚上で渾然一体となる赤色や桃色、黄緑色、黄色、青色など多様な色彩が用いられており、
本作の抽象性をより強調する効果を発揮している。  


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2017年08月08日

経済的困窮も改善されない状況にあった

 坂道の両脇には大輪の花を咲かせる向日葵が色鮮やかに描かれており、清涼とした青空との色彩的対比は観る者に心地良い夏の印象を与える。本作で最も注目すべき点は穏やかで幸福的な光景とは全く正反対な画家の暗く複雑な状況と本作の光景そのものにある。本作を手がける前々年(1879年)にモネは妻カミーユ・ドンシューを同邸宅で亡くしており、経済的困窮も改善されない状況にあった。

 画家としても成人としても苦しい状況にあったモネが本作のような、まるで輝かしい未来と希望に満ち溢れた情景を、軽快で闊達な筆触によって、こうも見事に描き出せたことは、画家の内面的心情と画家的な性格を考察する上でも非常に興味深い。また画面上部へ向かうほど開放的になる空間構成や光に溢れた色彩表現も特筆に値する出来栄えを示している。

  


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2017年07月08日

性犯罪連想させるカクテルに批判殺到

米ワシントンDCのレストランが新メニューとして提供していた、とあるカクテルが「悪趣味すぎる」と大批判を受け、後日レストラン側が謝罪文を発表するという騒動がありました。

レストラン「ダイエット・スターツ・マンデー」が開発したこのカクテルの名は「ピル・コスビー」。コメディアン俳優のビル・コスビーの名前をもじったドリンクなのですが、実はコスビー氏は複数の女性を薬で眠らせて強姦したという容疑で、近日中に裁判が始まる予定なのです。コスビー氏は長年、心優しい高校教師や医者、さらに“良き父親”というキャラクターを演じてきた俳優であり、この強姦事件の事実が明るみに出ると、メディアでは大きなスキャンダルとして報道されました。

問題のカクテルには、その事件を連想させるような「ピル(薬)」という単語が付いている上、実際に薬品カプセル(中身は空)が飲み物にトッピングされているという代物。この新メニューがソーシャルサイトで拡散されると、多くの人々から「悪趣味すぎる!」「性犯罪をジョークにするなんて」「被害者の女性の気持ちを逆なでするような行為だ」といった厳しい声が挙げられました。

レストラン側もあまりの批判の多さに、数日後、悪趣味で軽率であったという内容の謝罪文と、メニュー廃止の意向を発表。オーナーも、今後は新メニューの開発には細心の注意を払い、2度とこのようなことは起こらないようにと約束しています。  


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2017年06月08日

アルジャントゥイユ


印象派の先駆的存在である画家エドゥアール・マネの代表作『アルジャントゥイユ』。1875年のサロンに出品された唯一の作品である本作に描かれるのは、パリの北西、セーヌ川右岸にあるイル=ド=フランス地域圏ヴァル=ドワーズ県の街で、当時流行した舟遊び場としても著名であったセーヌ河沿いの≪アルジャントゥイユ≫に集う男女の姿で、女性の方は不明であるも、男性のモデルは『船遊び(ボート遊び)』同様、後に画家の義弟となるルドルフ・レーンホフであると推測されている。

風刺画なども残されるよう、サロン出品時、本作は批評家や観衆から嘲笑され続けたことが知られているが、本作の表現や辛辣な観察眼で描写される俗物的な画題選定は特に注目に値する。未婚の男女間の集いの場としても名高かったアルジャントゥイユの舟遊び場で横縞の衣服を着た男が一人の女に寄り添いボート遊びを誘っている。しかし女は他のマネの作品同様、無関心な表情を浮かべている。  


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2017年05月08日

アルジャントゥイユのレガッタ

印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネ印象主義時代の代表作『アルジャントゥイユのレガッタ』。本作はセーヌ川右岸にあるイル=ド=フランス地方の街≪アルジャントゥイユ≫でおこなわれるレガッタ(ボートレース)の準備の情景を描いた作品である。

印象派の画家にとってアルジャントゥイユ(沿いのセーヌ川の)の風景や、レガッタ(ボートレース)という競技は最もポピュラーな画題であり、エドゥアール・マネやルノワール、カミーユ・ピサロ、アルフレッド・シスレーを初めとしたモネ以外の(印象派の)画家たちも様々な角度からアルジャントゥイユの風景や本画題を描いている。

  


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2017年04月08日

ネアンデルタール人、歯痛に「鎮痛薬」使用か 研究

ペニシリンの発明からさかのぼること約5万年前に、歯の膿瘍(のうよう)に苦しんでいた旧人類ネアンデルタール(Neanderthal)人の若者が、天然の抗生物質や鎮痛成分を含む草木を食べていたことが分かったとする研究論分が8日、発表された。研究では、ネアンデルタールの歯石を調べた。

 研究チームによると、現在のスペインのエルシドロン(El Sidron)に当たる地域に住んでいたネアンデルタール人の男性は、抗生物質を産生するペニシリウム属の真菌を摂取し、サリチル酸を含むポプラの木の破片をかんでいたという。サリチル酸は、現代の鎮痛薬アスピリンの有効成分だ。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された研究論文によると、この若いネアンデルタール人の化石化した下顎骨には膿瘍による損傷がみられる他、残されていた歯石から、激しい下痢を引き起こす腸内寄生虫の存在が確認できた。これにより「若者がひどい病気に侵されていたのは明白」だという。

 論文の共同執筆者で、豪アデレード大学(University of Adelaide)オーストラリア古代DNAセンター(ACAD)のアラン・クーパー(Alan Cooper)氏は「ネアンデルタール人は、薬用植物とそれらが持つ各種の抗炎症作用や鎮痛作用などの特性を熟知し、自己治療を行っていたとみられる」と話す。

「研究結果は、現生人類の近縁種であるネアンデルタール人に関して一般的に聞かれる、想像の中のかなり単純化された考え方とは極めて対照的だ」と、クーパー氏は続けた。

 2012年に独科学誌「ナトゥーア・ウィッセンシャフテン(Naturwissenschaften)」に発表された研究では、ネアンデルタール人はノコギリソウやカモミールなどの薬草を使用していたことが考えられるという。

 国際研究チームは今回の最新研究で、ネアンデルタール人4個体の石灰化した歯垢(歯石)の中に閉じ込められたDNAの遺伝子分析を実施した。4個体のうち、2個体はベルギーのスピー洞窟(Spy Cave)から、残る2個体はエルシドロンからそれぞれ出土したものだ。

 歯石には、生物の口、気管、胃などの中に生息していた微生物や、歯間に挟まった食べかすなどのDNAが保存されている。これを後に分析することで、食べていたものや、健康状態を知ることができる。

 今回の研究では、ベルギーのネアンデルタール人が、ケブカサイ(毛サイ)、野生ヒツジ、キノコなどを日常的に食べ、狩猟採集民的な生活様式を形成していたということが分かった。遺伝子分析された対象としては過去最古の歯石となった。
  


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2017年03月09日

ヤン・プリューゲルは指導的な位置を占めていた


また17世民スラ「ドル絵両の典型的な特徴である花輪や花繰の描写においても、ヤン・プリューゲルは指導的な位置を占めていた。

ルーペンスとの共同綱作は別としても、プリューゲルは親交のあったアントウエルペンの画家たち、へンドリック・ファン・パーレン、セバスティアン・フランクス、ヨース・デ・モンべル2世にとって、彼らの絵の中に、風景、動物、花、あるいは小さな人物点景を描くことが必要とされる場合、求められるパートナーであった。  


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2017年02月07日

ほとんど同じ調度や小道具の配置が繰り返されている

同じく、男女の人物が登場して活人画のような舞台を示すことになる、(葡萄酒のグラス》(べルリン、ダーレム美術館蔵)、《ワイングラスを才わ若い女》、《奏楽を中断された若い女)(ニューヨーク、フリック・コレクション蔵)では、ほとんど同じ調度や小道具の配置が繰り返されている。

人々はみなエレガントな作法のうちにあり、室内に漂う優雅で上品な雰囲気は、この頃の富裕な市民階級の好みを反映したものである。男女の愛のテーマは《音楽の稽古》(fig.6)においても描かれるが、この作品では人物の心理的な動揺は見られない。

  


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2016年12月28日

仏人も脱帽、「最高の自然派ワイン」目指す大岡さんのこだわり

フランス在住の大岡弘武(Hirotake Ooka)さん(42)は、何事も中途半端には済ませられないたちだ。

 かつて化学が専門だったという大岡さんがフランスへやって来たのは約20年前。以来大岡さんが追い求めてきたのは、可能な限り最高の、そして最も自然にこだわったフランスワインを造るということだ。

 しかも、楽をしようなどという気は一切ない。大岡さんの小さなブドウ畑は、アルデシュ(Ardeche)の山地からローヌ(Rhone)渓谷に至る地域に位置するコルナス(Cornas)に近い丘陵地にある。めまいがするというほどではないにしろ、かなりの急勾配だ。

 そのためブドウは全て手作業で収穫しなければならないばかりか、1房ずつ地面に膝を突いて摘み取らなければならないことも多く、大岡さんにも他の収穫担当者にとっても腰に重い負担がかかる。

 フランス中南部、空気の乾燥したこの土地の大半の区画は、父から息子へ代々受け継がれる。大岡さんは、まず木の生えた丘を開墾してブドウ畑をこしらえ、シラー種のブドウの木を、花こう岩質の土壌に植えるという作業から始めなければならなかった。  


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