2018年01月08日

温室のセザンヌ夫人

 近代絵画の父とも呼ばれる後期印象派の巨匠ポール・セザンヌ初期を代表する単身人物像のひとつ『温室のセザンヌ夫人』。

 本作は画家の妻である≪オルタンス・フィケ≫をモデルに制作された人物画作品で、セザンヌが妻オルタンスを画題とした作品を生涯の中で複数枚(20点前後)手がけているが、本作はその中でも特に代表的な作品のひとつとして位置付けられている。

 画面中央に配されるセザンヌ夫人ことオルタンス・フィケは、黒く細身の衣服に身を包み、やや首を斜めに傾けながら(本作を観る者、そしてセザンヌへと)視線を向けている。

  


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2017年12月08日

饗宴 (Feast)


後期印象派を代表する画家ポール・セザンヌ初期の最も重要な作品のひとつ『饗宴』。

かつて画家自身は≪酒宴≫と命名していたものの、批評家によって≪饗宴≫と呼称されるようになった本作は、19世紀フランスの小説家ギュスターヴ・フローベール(フロベール)の著書「聖アントニウスの誘惑」内に記述される≪ネブカドネザルの饗宴≫を光景を描いたと解釈されている作品で、特に華やかで豊潤な固有色や多様な陰影色など色彩表現においてルネサンス期ヴェネツィア派の大画家パオロ・ヴェロネーゼ(パオロ・カリアーリ)随一の大作『カナの婚宴』や、フランドル絵画最大の巨人ピーテル・パウル・ルーベンス、フランスロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワへの傾倒と研究を如実に感じさせる。  


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2017年12月01日

ガソリン価格へどう響く?

 原油価格が2年4か月ぶりの高値となっている。主要産油国の協調減産への期待もさることながら、サウジアラビアの政情不安が背景にある。あおりで国内のガソリン価格が1リットル140円に迫るまでに上昇している。どこまで上がるのか。

 ガソリン価格は上昇が続き、資源エネルギー庁が2017年11月22日に発表した20日時点の店頭価格は、全国平均で前週比1.8円高の140.1円となった。10週連続の上昇で、その間の上げ率は約7%。このまま140円台に乗せたのは2015年8月以来2年3か月ぶり。原油価格の急伸を受け、石油元売り各社が卸価格を断続的に引き上げ、給油所が店頭価格に転嫁しているのだ。灯油も同様で、北海道ではコープさっぽろの価格が1リットル82円と、前年同期の62円から約3割上昇している。

 もとになる原油相場はというと、10月初旬から本格的に上昇が始まり、国際指標となるニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物の期近物は11月6日には1バレル=57.35ドルと約2年4か月ぶりの高値をつけた。その後は伸び悩んではいるが、それでも、直近は55~56ドル台となっている。42ドルまで下がった6月からは3割以上、上昇した計算だ。

 上昇の第1の理由は、石油輸出国機構(OPEC)などが協調減産を再延長するとの期待。1月に、当初は半年間の予定で始めたOPECと、主要な非加盟国による協調減産は、2018年3月末まで延長済み。OPECは11月30日にジュネーブで開く予定の総会で協議するが、10月にOPECの盟主、サウジアラビアのムハンマド皇太子が「再延長の準備がある」と表明するなど減産延長は既定方針化しており、減産幅の拡大や減産に参加する非加盟国の拡大なども検討されていると伝えられる。非加盟国の石油大国ロシアは2018年いっぱいの減産継続に意欲的とされ、原油市場を強気にさせている。

 加えて、ここにきて原油相場上昇に弾みをつけているのが中東最大の産油国サウジの政情不安だ。11月上旬にサウジ政府の汚職対策機関が王子や現職閣僚ら数十人拘束した。ムハンマド皇太子が政敵を排除して権力を一段と集める動きとされるが、内政混乱の連想からサウジの生産量が落ちるとの観測を呼んで原油を買う勢いが強まり、相場を押し上げる方向に作用した。

 皇太子は脱石油依存を掲げて経済改革に取り組むほか、対外政策なども取り仕切っているとされ、サルマン国王からの早期譲位の観測さえ流れる。皇太子が権力を完全に掌握すれば、政情は落ち着きを取り戻すとの見方があり、そうなれば原油相場の下げ圧力になる。  


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2017年11月24日

デュブール家の人々

 19世紀のフランスや英国(イギリス)において人気を博したサロン画家アンリ・ファンタン=ラトゥールの代表作『デュブール家の人々』。

 1878年のサロンに出品された本作はファンタン=ラトゥールの妻ヴィクトリア・デュブールとその家族≪デュブール家の人々≫を描いた集団肖像画(家族肖像画)である。

 画面左側から白いドアの前に立つ帽子を被った女性(婦人)が義理の妹となるシャルロット・デュブール、画面中央で椅子に座るのが義母デュブール夫人、その後ろで母の肩に手をかけるのが画家の妻ヴィクトリア・デュブール、そして画面右側で椅子に座る紳士が義父デュブール氏と四人の人物が描かれる本作では、全ての人物が黒色の衣服を身に着けているが、これは画家が人物らを配しておこなった最初のデッサンが11月1日と万聖節(全聖人と殉教者に対する記念日)であるために喪服であることを安易に推察することができる。  


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2017年09月26日

牡丹と黒人の女性

 初期印象派の画家フレデリック・バジール晩年の代表的作品のひとつ『牡丹と黒人の女性』。

 本作は黒人の女性が机上で花瓶に花を活ける姿を描いた風俗画的作品であるが、アンリ・ファンタン=ラトゥールなどアカデミックなサロン絵画様式に近い、細密に描き込まれた花の静物という伝統的な古典的画題に日常の場面を組み合わせた画題構成が大きな特徴のひとつで、このような画題の構成は写実主義の巨匠ギュスターヴ・クールベも手がけているが、本作においては1868年以降の画家の作品にみられるアカデミー絵画への回帰の傾向を示した最も良例の作品のひとつとも言える。

 バジールは本作を手がける少し前に同画題の作品『牡丹と黒人女性(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)』を制作しているが、この最初のヴァージョンと比較してみると、花を活けるモデルの黒人女性の仕草や視線が、より自然な動作的印象を(本作を)観る者に与えるように考慮して描かれていることが分かる。  


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2017年09月19日

井戸端の若い女と子供

印象派の巨匠カミーユ・ピサロ1880年代を代表する作品のひとつ『井戸端の若い女と子供』。

本作はカミーユ・ピサロ家の家政婦と画家の四番目の息子リュドヴィク=ドロをモデルに描かれた作品で、おそらくオスニーへと住居を移した1882年の後半に描かれたと推測されている。

画面中央の空間(小道)を挟み、左部分へ煉瓦(レンガ)の井戸とそこにもたれ掛かるピサロ家の家政婦の姿を、右部分に指を咥えるリュドヴィク=ドロの姿を配している。双方とも青衣を身に着けており、本作の明瞭で豊潤な色彩の中で青衣へ射し込む光と影が鮮やかに映えている。

  


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2017年09月12日

銃を持ったポーズで批判続出

このほどデヴィッド&ヴィクトリア・ベッカムの長男ブルックリンが、人気写真家の撮影に参加。すでにプロ写真家としてデビュー済みの彼が今回は被写体となったが、そのうち数枚でブルックリンが銃を持っていることに一部のファンが猛反発、多くの批判コメントをネットに書き込んでいる。

これらの写真を撮影したのは、有名な写真家ベイカー氏(Damon Baker)。写真家としてデビューしたものの「さらに良い写真を撮るフォトグラファーになりたい」とアメリカへの大学進学を決めたブルックリン・ベッカム(18)にとっては、大物の仕事ぶりを間近で見ることのできる素晴らしいチャンスだったはずだ。

しかし数枚の写真で、ブルックリンは銃を手にしていたのだ。ジェームズ・ディーン風に決めた彼に殺意など全く感じないが、銃により命を落とす人があとを絶たないアメリカでは「なんという非常識な写真だ!」と本気で激怒した人もいたようだ。ブルックリンのインスタグラムには、このようなコメントが見受けられる。

「あなたはギャングみたいに銃撃をするような人じゃあるまいし! 銃なんて必要ない。それに銃による暴力を世に広めるようなことをする必要はないのよ。」
「銃を使った撮影なんて、判断を大きく誤ったわね。」
「銃は人を殺す武器であって、アクセサリーじゃないのよ。」

しかし一方で「これは良い!」と褒めるファンもおり、以下のようなコメントも少なくない。

「良い写真じゃないの。私は拳銃を持っているわ。インターネット、落ち着きなさいよ。」
「ブルックリン、カッコいい!」

ちなみにこれらの写真について、ブルックリンをよく知る情報筋は「プライベートな画像で、シェアされるべきものではなかった」と話したという。

「ブルックリンは、銃につき『いいんじゃない?』なんて考える人間ではありません。撮影ではオモチャの銃を使用していますし、発表予定もなかったのです。今思えば、未熟で衝動的なことをしましたね。」

なおこの画像はブルックリン本人が自身のインスタグラムにアップしているもので、現時点では削除していない。  


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2017年09月05日

ヴァルジュモンの子供たちの午後

 印象派を代表する大画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの枯渇時代を象徴する作品のひとつ『ヴァルジュモンの子供たちの午後』。本作は以前は大使館の書記官を務めていた裕福な銀行家ポール・ベラール氏の3人の娘が、夏に同氏のノルマンディー地方の英国海峡に面するワルジュモンにある別荘へ滞在していた時に制作された作品である。

 画面右側では赤色の細かい模様が入った白色の衣服を身に着けた長女マルトが椅子に腰掛け縫い物をしており、傍らには三女リュシーが人形を抱きながら観る者と視線を交わらすようにこちらを向いている(長女マルト縫い物は人形の衣服を想像させる)。一方、画面左側には次女マルグリット(マルゴ)がソファーに座りながら本を読んでいる姿が描かれており、次女マルゴと三女リュシーは上品かつ清潔な青い衣服を身に着けている。  


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2017年08月29日

本作で最も注目すべき点は近代性を感じさせる表現様式にある


 ふたりの安堵的な柔らかい仕草と子供らしい純粋で愛らしい表情はサーカスの情景を描いたというよりも、むしろ肖像画に近いアプローチを感じさせる。無論、これらの点も特筆すべき内容であるが本作で最も注目すべき点は近代性を感じさせる表現様式にある。

 やや高い視点から描かれるフランチェスカとアンジェリーナを中心に円形のサーカスの舞台を配した本作でルノワールが集中して取り組んでいるのは豊かな色彩の描写であり、本来ならば床面に落ちるであろう陰影を全く描かず、多様的で輝くようなフランチェスカとアンジェリーナの衣服の色彩と黄土色の床の暖色的な調和性は観る者に心地よい色彩のリズムを感じさせる。

 また2人の姉妹の身に着ける衣服の(やや厚塗りされた)黄金色の豪華な刺繍と青白い白地部分の色彩的対比や、観客の黒い衣服との明確なコントラストは画面を見事な引き締める効果を生み出している。  


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2017年08月22日

ボディーガード15人

 今年70回目を迎えたカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)は、そのグラマラスさやきらびやかさでも有名だ。これまでにレッドカーペットを彩った女優たちを振り返る。

 米歌手マドンナ(Madonna)は、キャリア絶頂期の1991年、自身のドキュメンタリー作品『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ(In Bed with Madonna Truth or Dare)』を引っさげてカンヌを訪れた。

 5つ星の「ホテル・ドゥ・キャップ・エデン・ロック(Hotel du Cap-Eden-Roc)にこもっていたマドンナだったが、日課となっていた15キロのジョギングでは、アンディーブ岬(Cap d'Antibes)の曲がりくねった道路の交通渋滞を引き起こした。ジョギングにはボディーガード15人が同行していた。

 試写会当日の夜には、スターを一目見ようと少なくとも1万人の群衆が会場前に押し寄せ、その間を縫うようにしてマドンナの乗ったリムジンが進んだ。

 マドンナはレッドカーペットにピンクのガウン姿で登場。歩みを止めて後ろを振り返り、ガウンの下に着用していたジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)がデザインのオフホワイトの円錐形のブラジャーがあらわになった瞬間、会場の熱気は頂点に達した。  


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